無月経について

無月経とは、3カ月以上月経がない状態

 

無月経には生理的無月経(初経前、閉経後、妊娠)と病的無月経がある。

病的無月経には原発無月経と続発無月経がある。

原発無月経・・・18歳を過ぎても初経なし

続発無月経・・・3カ月以上ない←最多

 

病的無月経は原因部位によって、視床下部性、下垂体性、卵巣性、子宮性、膣性などに分類される。

 

ゲスターゲン試験

ゲスターゲン・・・黄体ホルモン(プロゲステロン)の合成物

第1度無月経

 ゲスターゲン試験で消退出血あり

 →もともとエストロゲンは出ていて、プロゲステロンが出ていない

 →視床下部性の無月経

第2度無月経

 ゲスターゲン試験で消退出血なし

 →もともとエストロゲンプロゲステロンも出ていない

 →視床下部性、下垂体性、卵巣性どれか

 

●無月経の治療

第1度無月経

 挙児希望あり

  ・・・クロミフェン療法

 クロミフェンはエストロゲン類似物質だが、抗エストロゲン作用をもつ

 →視床下部エストロゲン受容体と結合し、本物のエストロゲンは結合できない

 →視床下部エストロゲン不足と認識し、GnRH分泌↑

 →下垂体のFSH、LH分泌↑

 →卵胞発育と排卵誘発

 挙児希望なし

  ・・・Holmstrom療法(ゲスターゲンの投与)

 →プロゲステロンを入れてあげる

 →LHサージが起こらないため、排卵されないが、月経は起こる

 

第2度無月経

 挙児希望あり(かつ視床下部性or下垂体性)

  ・・・ゴナドトロピン療法hMG、hCG投与)

 hMGはFSH作用、hCGはLH作用をもつ

 →当初hMGを投与し卵胞が発育したら、hCGを投与し排卵誘発

 挙児希望なし(or卵巣性)

  ・・・Kaufman療法エストロゲンとゲスターゲン投与)

 →LHサージが起こらないため、排卵されないが、月経は起こる

 

ゴナドトロピン療法ではOHSS卵巣過剰刺激症候群)のリスクがある。